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ルータIDの役割
ルータIDはOSPFを使う上でルータの名前の役割を持っていて非常に重要です。
既にご紹介した通りマスタールータの決定や、DR/BDRの選出の際に使われたりします。
ルータIDが変わってしまうと再度ネイバー関係から構築しなければなりません。
安定したNW設計のためにも極力ルータIDの変更が発生しないようにする必要があります。
ルータIDの決め方
ルータIDは下記の優先順位で決定します。
(1)router-idコマンド
(2)アクティブなLoopbackインタフェースの中で最も大きなIPアドレス
(3)その他のアクティブなインタフェース(物理/論理)の中で最も大きなIPアドレス
router-idコマンドで設定したルータIDは再度コマンドで
他のルータIDを設定しない限り変更されません。
(2)のLoopbackインタフェースの場合はどれか一つ
アクティブなインタフェースがあればUPし続けます。
次の(3)よりは安定しています。
(3)の場合は最大のIPを持つインタフェースがダウンすれば、
二番目に大きなインタフェースのIPがルータIDとなるのでNWとしては大変不安定です。
router-idコマンドを使って手動で設定するのが最も一般的です。
検証環境や動作確認程度の場合はルータIDを手動で設定しないこともありますが、
実際の現場では必ずルータIDを手動で設定して適切なNWを設計してください。
ルータIDの変更
◆OSPF稼動中のルータのルータIDを変更する(アニメーション付き)
上記アニメーションではR1とR2で既にネイバーを張っている状態で、
R2のルータIDを2.2.2.2から10.10.10.10に変更させる内容です。
router-idコマンドでルータIDを変更する設定を入れてますが、
設定が有効になっているのはclear ip ospf processコマンドを打った後です。
設定の流れに気をつけよう
◆やりがちなミス (アニメーション付き)
上記のアニメーションはR1、R2の順番でOSPFの設定をしています。
R2のルータIDを手動で設定する前にアクティブな
物理インタフェースのIP192.168.1.2がルータIDになってしまっています。
※ルータを再起動するかclear ip ospf processを打ったら有効になりますって言われてますね
(Reload or use “clear ip ospf process” command, for this to take effectの部分)
実際の構築の現場ではこの様なお粗末なことはしないと思いますが、
設定の順番であったり対向とのインタフェースUPを
いつ行うかなどはしっかり順番を意識する必要があります。
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