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ip routeコマンドでスタティックルートを設定する
スタティックルートの設定を入れてR1⇔R3の通信ができるようにします。
ここでは各インタフェースにIPアドレスのみ割り当てています。
◆R1のルーティングテーブル
自分のインタフェースが所属している192.168.1.0/24が存在。
R1#sh ip route ~略~ Gateway of last resort is not set C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0 R1#
◆R2のルーティングテーブル
自分のインタフェースが所属している192.168.1.0/24と192.168.2.0/24が存在。
R2#sh ip route ~略~ Gateway of last resort is not set C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0 C 192.168.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1 R2#
◆R3のルーティングテーブル
自分のインタフェースが所属している192.168.2.0/24が存在。
R3#sh ip route ~略~ Gateway of last resort is not set C 192.168.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1 R3#
◆R1からR3へはpingは通らない
ルーティング情報が無いので直接繋がっていないR3にはpingは通りません。
R1#ping 192.168.2.1 Type escape sequence to abort. Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.2.1, timeout is 2 seconds: ..... Success rate is 0 percent (0/5) R1#
◆R1にスタティックルートの設定を入れる
R1#conf t R1(config)#ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 fa0/0 R1(config)#end R1#
◆R1のルーティングテーブルを確認
192.168.2.0/24が追加されている。
R1#sh ip route ~略~ Gateway of last resort is not set C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0 S 192.168.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0 R1#
◆R3にスタティックルートを入れる
R3#conf t R3(config)#ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 fa0/1 R3(config)#end R3#
◆R3のルーティングテーブルを確認
192.168.1.0/24が追加されている。
R3#sh ip route ~略~ Gateway of last resort is not set S 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1 C 192.168.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1 R3#
◆R1からR3へpingが通るようになる
R1#ping 192.168.2.1 Type escape sequence to abort. Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.2.1, timeout is 2 seconds: .!!!! Success rate is 80 percent (4/5), round-trip min/avg/max = 88/93/96 ms R1#
<<解説>>
・ip route [NWアドレス] [サブネットマスク] [出力I/F]コマンドで設定
・ルータが知りたいNW情報を一つずつ設定する必要がある。
R1には下記設定を入れています。
ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 fa0/0
⇒192.168.2.0/24のネットワークは自分のインタフェースfa0/0の先にあるという設定。
R2には下記設定を入れています。
ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 fa0/1
⇒192.168.1.0/24のネットワークは自分のインタフェースfa0/1の先にあるという設定。
今回は3台のルータのみなので両サイドのルータに設定を入れるだけで通信ができます。
但し50台、100台のルータで構成されるネットワークの場合は、
ダイナミックルーティングを使用します。
ではスタティックルーティングは必要無いかと言うとそんなことはありません。
ダイナミックルーティングはリソースを使います。
またコンバージェンスに時間がかかります。
うまくダイナミックルーティングとスタティックルーティングを使うことが、
適切なネットワーク設計に必要になります。
R1からR3およびR4にpingを通す設定を入れてみます。
ここではR2、R3、R4の設定は完了していることとします。※Ripでルーティングしています。
◆R1にデフォルトルートの設定を入れる
R1#conf t R1(config)#ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 fa0/0 R1(config)#end R1#
◆R1のルーティングテーブルを確認
R1#sh ip route ~略~ Gateway of last resort is 0.0.0.0 to network 0.0.0.0 S* 0.0.0.0/0 is directly connected, FastEthernet0/0 192.168.1.0/24 is variably subnetted, 2 subnets, 2 masks C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0 L 192.168.1.1/32 is directly connected, FastEthernet0/0 R1#
◆R1からR3へpingが通ることを確認
R1#ping 192.168.2.1 Type escape sequence to abort. Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.2.1, timeout is 2 seconds: .!!!! Success rate is 80 percent (4/5), round-trip min/avg/max = 60/64/76 ms R1#
◆R1からR4へpingが通ることを確認
R1#ping 192.168.3.1 Type escape sequence to abort. Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.3.1, timeout is 2 seconds: !!!!! Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 32/40/44 ms R1#
<<解説>>
・ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 [出力I/F]でデフォルトルートの設定ができる
0.0.0.0 0.0.0.0は全てのネットワークを意味します。
R1に設定した内容は全てのネットワークはfa0/0の先にあるという意味になります。
R1は(この図では)他のネットワークへ通信する場合は全てfa0/0経由で通信します。
こういった部分ではわざわざ別のルータとネイバーを張って、
ルーティング情報のやりとりをする必要はありません。
コンバージェンスするまで待つこともありません。